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NPO法人だっぴ 若者と大人がつながることが、地域の未来を拓く

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2017年、だっぴを振り返って。

NPO法人だっぴの森分志学です。

新年あけましておめでとうございます。

 

ご支援頂いている皆様のおかげで、2017年もだっぴの飛躍の年となり、500人以上の中学生にだっぴの場を届けることができました。(12月現在)

中学生だけに限らず、高校生・大学生にも様々な大人との出会いの機会を届けることができました。

 

▼活動履歴については、下記PDFをご参照ください。

NPO法人だっぴ2017年度の活動予定[PDF]

2017年だっぴ開催まとめ[PDF]

 

250人以上の大学生、250人以上の大人の方にもだっぴの場に参加してもらい、だっぴの機会が(徐々にですが)広がっていっていることを体感しています。


■中学生の変容

中学生だっぴは3年目の事業になり、累計1100人以上の中学生がだっぴに参加しました。参加した中学生にとっているアンケートの集計データを一部ご共有できたらと思います。

中学生の感想で最も多いと感じるのが、この項目に係る感想です。

「大人に対するイメージが変わった」「はやく大人になりたいと思った」と多くの中学生が、大人になることへの期待感をもつことができました。

不透明な未来に対して、自分が立ち向かっていくイメージや勇気をもつことはなかなか難しい。(僕もです。笑)

その不透明さが、未来に対して消極的な気持ちを持たせ、比較的分かりやすそうな「安定」を求めがちになってしまうのではないでしょうか。(安定が悪いわけでは決してないのですが)「失敗したくない」という気持ちを必要以上に増幅させてしまっているのかと。

だからこそ、魅力的な大人との出会いは、「未来」に対する彼らの認識を、「受け身的なもの」から「切り拓いていけるもの」に変えてくれるきっかけになっているんだと思います。

中学生だっぴで、中学生に与えられているものは「未来」と「自分自身」への「希望」だと私は思っています。「希望」を「可能性」と言い換えても良いかもしれません。

自分の人生を自分で選びとって生きていけるために、まずは行動の原動力となるような「希望」や「可能性」を感じることが大切だと思います。

自分の価値観や考えを表現する機会って、多くはないと思うんです。でも、これからの社会は「所属」が自分を表すことは少なくなり、否が応でも「自分」を求められる社会です。「自分の行動は周囲への影響を与える力がある」という感覚は、自分を表現していくうえでの推進力になると思います。

その「表現する機会」として、だっぴは成功体験の場になっているのではないでしょうか。(そうだったらいいなと思います。)


■関わってくれる大学生たち

大学生の「関わりしろ」もかなり増えてきまして、ボランティア登録者は230人を超えました。

大学生対象のイベントがルーツになっていることもありますし、だっぴにおいて、やはり大学生の存在は欠かせません。2017年は、岡山大学のキャリア形成(一般教養)の授業を15コマもらって、NPO法人だっぴが授業をさせてもらったりもしました。

大学の関わりが増えるなかで、大学生にとって「だっぴがどういう存在であったらいいのか」ということをたまに考えます。大学生に聞いてみると、だっぴは「自分自身が成長できる」という意見のほかに、「普段友達とはしないような話もしていい居場所」や「サークルとは違ってゆるく関われる団体」だという意見がありました。(サークルはゆるくないのか!とも思いましたが。笑)

それを聞いて、居場所としての安心感や個人のバイオリズムに合った関わり方を提供することで、関わりやすさを高め、結果的に社会参画(だっぴの活動)のハードルを少しは下げられているのかなと思いました。

事務所の壁には、各プロジェクトごとにコアメンバーのチェキを貼って、「誰が何にチャレンジしているのか」を見える化しました。

だっぴのビジョンは「一人ひとりの若者が人とのつながりの中で自分らしく生きられる社会」です。若者が社会とつながる必要性はどんどん高まっていますが、完成された仕組みはまだ整っておらず、若者と社会の接合にはまだまだ課題が多くあります。

私たちの組織もまた、自分たちのビジョンを体現していきたいと思っていますので、大学生が「社会の中で、自分らしさを試行錯誤しながら成長できる機会」を、提供し続けていきたいです。


■課題とこれから

とはいえ、だっぴも順風満帆というわけではありません。2017年は(も)たくさんの課題と対峙することとなりました。

2017年、だっぴは西粟倉村から始まり、岡山市、津山市、玉野市、備前市、高梁市の6つの教育委員会と協働して、中学生だっぴを開催することができました。だっぴの場をキャリア教育として広げていくにあたって、学校の先生たちと関わることが多くなったのですが、学校の先生たちの多忙たるや。本当に大変だと思います。

参考:経済協力開発機構(OECD)が実施した「国際教員指導環境調査」(TALIS)の統計調査結果(下図)

 

新しい学習指導要領にもある、学校が地域に開かれたものになるために、私たちも力になりたいです。だっぴを通して、学校が地域の人や企業、その他多様な人材とつながっていける仕組みや文化をつくりたいと思っています。

教育の課題は複雑化しており、それはもはや学校単体で解決できるものではないことの方が多い。

学校にばかり負担を強いて、これからの社会を担っていく子どもの教育をおざなりにしてはいけない。個人的な感覚ですが、教育はサービスではなく、文化だと思うんです。たくさんの人たちの協力のもと、子どもを育てていける地域や文化をつくるうえで、だっぴが「多様な人たちをつなげる仕組み」として上手く機能していけたらと思っています。

あとは、資金の問題です。

(多くのNPOがそうですが)受益者負担が難しいシステムの中で資金調達をどうやって行っていくか。ここはとても悩まされましたし、今も絶賛悩んでいます。笑

NPOはビジョン・ミッション至上主義ですが、継続するための資金は当然、最低限確保する必要がありますし、その「理想と現実」のバランス感覚は重要なんだなと個人的に実感できた1年でした。

資金調達についても試行錯誤した1年でしたが、そのおかげ?で未来も少しは見えてきたかなと思います。

ただ、まだまだきちんとしたカタチにはなりきっていませんので、2018年も、色々と挑戦していく年になるかと思います!


 

2017年も変わらずだっぴを応援してくださり、ありがとうございました。

教育を取り巻く環境が変化していく中で、だっぴも時代の先回りをしながら変わっていけたらと思います。

どうぞ新年も、応援よろしくお願いいたします!

 

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